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リーガル通信 ~弁護士に依頼する場合~

2019年06月06日

弁護士に依頼されることについて,敷居が高いと感じる方もいらっしゃると思います。そこで今回は,「弁護士に依頼した場合に一般的にどのような流れになるか。」について,記載いたします。ご説明に当たっては,「甲と乙の夫婦について,乙が不倫をしたので,甲が乙に対し離婚と慰謝料を求めたい。」という事例を用います。

 

まず,甲は,丙弁護士の事務所に法律相談に行きました。法律相談をするには,事前に予約が必要なのが一般的なため,ご注意ください。

 

法律相談の結果,甲は,丙弁護士に,乙への離婚と慰謝料を請求することを依頼しました。事件を依頼すると弁護士費用が発生しますが,弁護士費用は,事件を始めるにあたっての着手金,事件の結果によって金額が決まる解決金,の2つから構成させることが一般的です。

 

事件を受任した丙弁護士は,甲の代理人として,乙に離婚と慰謝料の支払いを求める書面を送りました。弁護士に依頼した場合でも,いきなり裁判所は使わずに,弁護士と相手方で話し合い(示談交渉)が行われるのが一般的です。

 

しかし,話し合いがまとまらなかったので,丙弁護士は,乙に対し,離婚と慰謝料を求めて,調停を起こしました。調停とは,裁判所で行われる話し合いの手続きです。とろこが,調停でも話がまとまりませんでした。

 

そこで,丙弁護士は,乙に対し,やむなく離婚と慰謝料を求める裁判を起こしました。裁判を行っても,依頼者の方は,基本的には裁判所に行く必要はありません(代わりに弁護士が出席します。)。もっとも,本人の尋問を行う場合には,依頼者の方にも裁判所に行っていただき,裁判所で,弁護士や裁判官の質問に答える必要があります。

 

甲も,裁判所で尋問を行った後,乙と和解しました。和解の内容としては,「甲乙間の離婚を認め乙が解決金を支払う。」という内容となり,裁判は終わりました。裁判が行われれば,一般的には裁判官が判決を言い渡すとお考えの方もいらっしゃると思いますが,実際は,判決ではなく和解で裁判が終わることも多々あります。

 

弁護士 梶本貴之
ホワイトペッパー第301号(2019/6/7発行)掲載