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リーガル通信 ~自己破産~

2019年07月04日

今回は,自己破産について記載します。まず,破産した場合に,自分の財産がどうなるかについてです。自己破産は,本来,持っている財産を債権者に分配し,債務を免除する制度です。しかし,あまり財産を持っていない場合,財産を債権者に分配するよりも,そのための手続きに費用がかかってしまう恐れがあります。また,破産する場合,「自由財産」といって,一定の財産を残すことが認められています。そのため,自己破産をした場合でも,目立った財産がなかったり,自由財産の範囲内の財産をもっているに過ぎない場合は,破産者の財産を債権者に分配することなく破産することもあります。

 

次に,自己破産をする場合の注意事項です。借金を債権者に返していくことができない状態(支払不能)となった後は,特定の債権者に借金を優先して返済すること(偏頗弁済)は禁止されます。これは,債権者は平等に扱う必要があるのに,一部の債権者にお金を返してしまうと,この債権者平等に反してしまうからです。この偏頗弁済を行ってしまった場合,債権者から返済したお金を返してもらう必要が生じたり,最悪の場合には破産しても債務が免除にならない恐れがあります。

 

最後に,費用面についてです。自己破産の法律相談を行う場合,法律相談料が発生することがありますが,収入や財産が少なく「法テラス」が利用可能であれば,無料で法律相談を受けることができます。また,弁護士に自己破産を依頼する場合には,弁護士費用がかかります。弁護士費用の金額は,弁護士によっても異なりますし,依頼者が個人事業主かどうかなどでも異なるので,実際の金額は法律事務所にお尋ねください。もっとも,ここでも法テラスを使うことができれば,弁護士費用を法テラスが立替払いをし,依頼者は法テラスに毎月5000円程度の分割弁済を行う,ということが可能となります。

 

 

弁護士 梶本貴之
ホワイトペッパー第303号(2019/7/5発行)掲載