今号が、私にとって二〇一六年初めてのリーガル通信となります。
ですので、今回は原点に立ち返って、法律的なトラブルを抱えてしまった、あるいは抱えそうだというときに、どのように弁護士に相談すればよいのかについてお話しします。
どの法律事務所も、基本的には事前にご予約をいただいてから相談していただくことになります。
ですので、まずは相談したいと思う弁護士事務所の電話番号を調べていただいて(電話帳や各種広告、ホームページなどでお探しください)、予約のお電話をいただくことになります。
また、ご自身の収入やお持ちの資産の関係で、どうしても弁護士に支払う費用が出せないという方は、「法テラス」という機関にお電話をいただければ、無料で弁護士にご相談いただくことができる場合もあります(紋別市内にお住まいの方であれば、「法テラス」を使っても市内の弁護士にご相談いただくことが可能です)。
ご予約いただく際には、簡単な相談の内容をお聞きすることになります。
また、相談内容に相手が出てくるもの(たとえば、○○さんにお金を貸している、○○さんと離婚したい、など)の場合には、その相手のお名前やご住所をお聞きすることになりますので、整理をしてからお電話をいただいたほうがスムーズかと思います。
さて、予約の電話を入れるや、「この相談はお受けできません」などと相談を断られ、別の弁護士事務所を紹介されることがありますが、これは、相談を受けたくないからお断りをしているわけではないのです。
弁護士のルールで、対立する相手からすでに話を聞いてしまっている場合、もう一方から話を聞くことができないというものがあります。
たとえば、Aさんから、Bさんに貸したお金が返ってこないと相談を受けた場合、その弁護士は、Bさんから、Aさんに借りたお金の件で相談をしたいと言われても、すでにAさんから話を聞いてしまっているので、相談を受けることができないのです。
せっかく決意して相談のお電話をいただいたのに、これをお断りするのは非常に心苦しいのですが、そういったルールになっていることをご理解いただければと思います。
弁護士 田村秀樹
ホワイトペッパー第217号(2016/2/19 発行)掲載