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リーガル通信 ~離婚した場合の子どもの関係~

2019年01月17日

 今回は,両親が離婚した場合の子どもの関係について記載します。未成年の子がおり協議離婚をした場合,親権者を父母のどちらにするかを決める必要があります。もちろん,父母お互いが納得すれば,親権者をどちらにするかで問題になることはありません。

 

 では,親権者をどちらにするかで父母の意見が対立した場合,親権はどのような観点から決まるでしょうか。結論としては,母側の事情,父側の事情,子どもの事情などを総合考慮して決めますが,その中で特に大事なものを,以下に記載します。

 

 まず,①継続性の原則,という考え方があります。これは,未成年の子の生活が安定している場合には,その現状を尊重するという観点のことです。また,➁兄弟姉妹不分離の原則,という考え方があります。これは,兄弟が共に生活することが子の人格形成等に良い影響を与えると考えられることから,兄弟は同一の親権者にするのが望ましい,という考えです。また,③母親優先の原則,という考えもあります。これは,乳幼児は,母親が育てるのが望ましい,とする考え方です。最後に,④子の意思の尊重,という考え方があります。親権者が父母のどちらになるかは,子ども自身にとっても当然重要な事柄です。そのため,親権者の決定に当たっては,子の意思も重視されます。特に,子どもの年齢が上がるにつれ,子の意思は重視される傾向にあります。

 

 もちろん,親権を得ることができなかった親も,子どもと会う方法はあります。それが面会交流です。面会交流は,子を養育・監護していない親が,子と面会するための手続きです。面会交流については,離婚時に決めることができますが,離婚後に話し合いや調停などで決めることもできます。面会交流の回数や方法も,子や両親の事情から個別具体的に定めることが可能です。こうした面会交流が認められているのは,子の成長にとっても離別した一方の親と交流をもつことが重要であると考えられているためです。

 

 

弁護士 梶本貴之
ホワイトペッパー第291号(2019/1/18発行)掲載