一人で悩んでいませんか?まずはお気軽にご相談下さい

リーガル通信 ~法人破産~

2019年05月29日

大変お世話になっております。今回は,会社の破産(以下「法人破産」といいます。)について記載します。

 

法人破産は,会社が債務超過かつ債務の返済が困難な場合などに行われる手続きです。法人破産では,裁判所の監督のもと,裁判所が選任する破産管財人が管理を行い,会社が清算されます。

 

法人破産を弁護士に依頼した場合には,まず,事業の停止日を決めます。会社は事業の停止日に営業活動を停止し,従業員は原則としてすべて解雇することになります。また,弁護士は,事業の停止日に,すべての債権者に受任通知を送ります。この受任通知により,債権者の以後の連絡は弁護士宛に行われることになり,債権者から会社への取り立て行為は無くなることとなります。

 

また,弁護士は,会社の財産が散逸しないように管理する責任があります。そのため,弁護士は,代表印,通帳,不動産の権利証,有価証券などの会社財産に関する書類等の引き渡しを受けます。また,弁護士は,経営者から様々な事情を聞き取り,決算書などの資料を精査し,法人破産の申立書を作成します。

 

破産申立書を裁判所に提出した後は,破産管財人が選ばれ,破産手続きが開始します。破産管財人は,会社財産の処分や換価を行うので,経営者はこれに協力する必要があります。そして,債権者集会や債権者への配当が行われた後,破産手続きは終結します。

 

なお,法人破産には,一定の費用が掛かります。法人破産にかかる費用で代表的なものに,予納金があります。予納金とは,法人破産にあたり裁判所に納める費用であり,会社の規模や債権者の数によって金額は変わりますが,数十万円程度はかかります(場合によっては100万円を超すこともあります。)。また,弁護士に法人破産を依頼する場合には,弁護士費用も掛かります。このように,法人破産には一定の費用がかかるため,事業の継続が厳しくなってきた場合には,会社財産が完全に無くなってしまう前に,弁護士等の専門家に相談することが大切です。

 

 

弁護士 梶本貴之
ホワイトペッパー第295号(2019/3/発行)掲載