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リーガル通信 ~労働基準法~

2019年08月29日

 今回は,労働基準法について記載します。使用者と労働者では,一般的に雇用主の方が力が強くなってしまいます。そのため,労働者の地位を守るための法律がいくつも定められています。今回は,労働者を守るための法律の中でも,代表的な労働基準法の規定をいくつか記載します。

 

 まず,使用者は,労働者と労働契約を結ぶ際に,労働条件を明示する必要があります。その中でも特に書面で明示が必要な労働条件として,労働契約の期間,就業場所・業務内容,就業時間や休暇等に関する事項,賃金に関する事項,退職に関する事項等があります。これらの通知は,一般的には,労働条件通知書によって行われることが多いです。

 

 また,使用者が労働者を解雇する場合は,少なくとも30日前までに予告するか,または30日分以上の平均賃金を支払う必要があります。また,解雇を行った場合でも,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当と認められない場合は,解雇は無効となります。

 

また,解雇と似たものとして,雇止めがあります。雇止めとは,端的に言えば,期間の定めのある労働契約を不更新とすることです。期間の定めのある労働契約の期間が満了しても,必ず雇止めができるとは限りません。すなわち,雇止めは,①過去に反復更新された有期労働契約で,その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの,②労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの,のいずれかに該当する場合には,無効となります(雇止めが無効となった場合は,労働契約が更新されます。)。

 

 次に賃金ですが,原則として直接,全額を労働者に支払う必要があります。もっとも,社会保険料の控除など法令の定めがある場合はこの限りではありません。また,時間外労働や休日労働を行った場合には,法律で定める割増賃金を支払う必要があります。

 

 


弁護士 梶本貴之
ホワイトペッパー第307号(2019/8/30発行)掲載