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リーガル通信 ~保証~

2020年03月02日

①はじめに

 

今回は,「保証契約」について記載します。また,2020年4月1日から,民法が改正され,保証契約についても新しいルールが始まります。そのため,民法改正後のルールについてもご説明します。

 

②保証契約一般

 

 保証契約は,自分以外の誰かの債務(借金など)を保証するものです。そのため,保証契約を結んだ相手がお金を返せない場合などは,代わりに保証人が支い義務を負う恐れがあります。簡単に言うと,甲さんが乙社から100万円を借りて,丙さんがこの借金を保証したとします。この場合,甲さんが100万円を返すことができない場合,丙さんも100万円を支払う責任を負います。

 

特に,保証債務が「連帯保証」の場合は,保証人の責任が重くなるので,一層注意する必要があります。

 

③民法改正で変更されるルール

 

⑴根保証契約の極度額の設定

 根保証とは,現在の債務だけでなく将来発生する債務も保証する保証契約です。例えば,甲さんが,乙さんから1万円を現在だけでなく将来も何度も借りる場合,この将来の借金もまとめて保証するのが根保証です。

 根保証は,場合によっては,高額の保証になってしまう恐れがあります。そのため,改正民法では,個人が根保証契約をする場合,書面で,保証金額の上限を決める必要があります。

 

⑵事業に係る債務についての特則

 個人が,事業に係る債務を保証する場合,改正民法では,所定の方式の公正証書を作らない場合,無効となります。公正証書とは,公証役場で作る文書です。これは,事業に係る借金は高額になることが多いので,保証人を保護する趣旨です。もっとも,保証人が経営者の場合は,公正証書作成は不要です。

 

⑶情報提供・通知義務

 保証をしてもらう人が事業のために借金をする場合で個人に保証人になってもらう場合には,一定の情報(財産の状況や他の借金など)を伝える義務が生じます。

また,保証人は,お金を貸した人に,借金の返済状況など情報提供を求めることができるようになります。

 

 

弁護士 梶本貴之
ホワイトペッパー第319号(2020/2/28発行)掲載