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リーガル通信 ~賃貸借契約~

2020年03月26日

①はじめに

今回は,アパートを借りている場合など,「賃貸借契約」について記載します。また,2020年4月1日から,民法が改正され,賃貸借契約ついても新しいルールが始まります。そのため,民法改正後のルールについても記載します。

 

②賃貸物件の修繕

 アパートなどの賃貸物件について,窓が割れるなど修繕が必要になった時はどうすればいいでしょうか。この場合,賃貸人が修繕する義務を負います。そのため,賃借人は賃貸人に窓を直すように通知する義務があります。

 改正民法では,賃貸物件の修繕について,様々なことが明記されました。まず,賃貸人が修繕しないときや急迫の事情があれば,賃借人は自分でアパートを修繕できます。他方,賃借人が自分で窓を割った場合など,賃借人に責任がある場合は,賃貸人は修繕義務を負いません。

 

③賃貸物件の原状回復

 長年借りたアパートを出るときなど,賃借人はどの程度,アパートの原状回復義務を負うのでしょうか。この点,今の民法では,賃借人に原状回復義務を負う旨の定めがありますが,詳しい内容は書かれていませんでした。

 改正民法では,次のように記載されています。すなわち,賃借人は,アパートを借りたあとの損傷については,原則として原状回復義務を負う。ただし,通常とおりにアパートを使用したことによってできた損傷やアパートの経年劣化については,原状回復義務を負ない。何が「通常とおり使用してできた損傷に当たるか」は,国土交通省が発行する「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が参考になります。

 また,賃借人が,賃借物件に附属物をつけた場合,賃借人は返還時に附属物を収去する義務を負います。もっとも,附属物の分離に多額の費用が掛かる場合や,そもそも分離することができない場合は,賃借人は附属物の収去義務を負いません。改正民法では,このことについても明記されました。

 

弁護士 梶本貴之
ホワイトペッパー第321号(2020/3/27発行)掲載