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リーガル通信 ~請負契約~

2020年09月12日

⑴はじめに

 今回は,請負契約について記載します。請負契約では,建物の建設を依頼するような事例が典型例です。建物の建設を依頼した方を「注文者」,依頼を受けた方を「請負人」,といいます。

 

⑵仕事が完成しなかった場合の請負報酬について

 建物の建設を依頼されたところ,建物を完成することができなかった場合,請負報酬はどうなるでしょうか。この点については,注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなった場合,または請負が仕事の完成前に解除された場合において,すでにされた仕事の結果のうち,過分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは,その部分を仕事の完成とみなし,請負人は,その利益の割合に応じて報酬を請求することができます。もっとも,仕事を完成させることができなかった原因がすべて請負人にあるような場合は,報酬を請求することはできません。

 

⑶請負人の責任

 AはBに,居住用建物の建設を依頼しましたが,建物に重大な欠陥があることが判明しました。この時,AはBに対してどのような請求ができるでしょうか。まず,Aは,Bの仕事の内容が契約に適合しないのであれば,契約を解除することができます。また,Aは,Bに対し,報酬の減額請求,建物の欠陥を補修するように請求,損害賠償請求などを行うことができる可能性があります。もっとも,このようなBに対する責任追及は,Aが契約内容に不適合であることを知ってから一年以内にBに対して通知しなければ行うことができなくなってしまいます。そのため,責任追及の期間制限には注意する必要があります。

 

 

弁護士 梶本貴之

ホワイトペッパー第333号(2020/9/11発行)掲載