一人で悩んでいませんか?まずはお気軽にご相談下さい

リーガル通信 ~会社法改正 電子提供措置~

2020年12月23日

会社法が改正されるので,改正会社法の内容についてご紹介いたします。

 

①株主総会資料の電子提供制度の概要

 

 現状,会社が株主総会を開催するに当たっては,株主総会資料(株主総会参考書類,事業報告書,計算書類等)を,株主に対し原則として書面で交付する必要があります。しかし,今回の改正により,株主総会資料について,取締役が自社のウエブサイトに掲載し,このアドレスを株主総会招集通知に記載して発送することで,適法に株主総会資料の開示を行ったと認められるようになります。これにより,資料の印刷・郵送に関する費用・時間が削減でき,また,早期に株主に対する資料の提供ができるようになります。

 

②電子提供制度の詳しい内容

 

 まず,株主の利益を保護するため,株主総会資料の電子提供制度を利用するには,定款で定めて登記をする必要があります。このような定款の定めがある会社は,電子提供に代えて書面により株主総会資料の提供をすることは禁じられます。また,上場会社など振替株式を発行する会社では,電子提供制度をとることが義務付けられます。

 

電子提供措置をとらなければならない事項は,①株主総会の日時・場所など会社法298条1項各号の記載事項,②議決権行使書面に記載すべき事項,③株主総会参考書類の内容,④株主提案に係る議案の要領,⑤計算書類及び事業報告の内容,⑥連結計算書類の内容,⑦電子提供措置事項を修正した旨及び修正前の事項,です。

 

電子提供措置をとる旨の定款の定めが会社は、株主総会の日の3週間前,もしくは株主総会の招集通知を発した日のいずれか早い日から株主総会の日の後3か月を経過するまでの間,株主総会資料の電子提供をしておく必要があります。

 

なお,電子提供措置については,パスワードを設定し,株主のみが情報の提供を受けることができるようにすることもできます。

 

 

 

弁護士 梶本貴之

ホワイトペッパー第339号(2020/12発行)掲載