今年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年最初の話題は「感染症」。といいますのも、この年末年始、私自身が酷い目に遭ってしまいましたので、そのことも踏まえてお話したいと思います。
年末を私の実家(大阪)で過ごすべく妻と帰省したのですが、帰省して三日目の朝、突如として吐き気が…。数時間後には発熱も始まったので、もしやインフルエンザではないかと思い、すぐさま年末年始の診療所に駆け込みました。
結果、インフルエンザは陰性だったのですが、その晩からはお腹の調子も悪くなり、一晩中トイレに籠る始末…。
さらに、夜中(大晦日)には妻が私と同じような症状に見舞われ、さらに翌日(元旦)には私の母までもがダウン。もう何のために帰省したのかわからない、散々な年末年始となってしまいました。
お医者さん曰く、三人とも「ノロウイルス」にかかったのではないかとのことでした。つまり、私から妻、そして母へとウイルス感染してしまったようです。改めて感染症、ウイルスの恐ろしさを身をもって感じました。
私のノロウイルスの感染経路は不明ですが、最近、給食など食品製造の過程でノロウイルスが混入し、これが原因で大規模な集団感染が発生するケースが多く発生しています。
従業員が自身でノロウイルスに感染していることを知った上で、あるいは知り得た上であえて勤務し、集団感染が発生したような場合には、従業員に過失が認められる余地があります。
そして、感染者が死亡したような場合には、民事上の損害賠償責任を負う可能性があります。
また、安全管理体制に欠けるような場合には、雇用主(会社)も、損害賠償責任(使用者責任)を負うことがあります。
食品加工会社にお勤めの方も多いと思いますが、ご自身が感染の可能性に気付いた場合には、くれぐれも慎重な行動をお願いします。
そうでない方も、外出後のうがい・手洗いはきちんと励行したいものです。
弁護士 田村秀樹
ホワイトペッパー第191号(2015/1/23発行)掲載