リーガル通信ではこれまであまり取り上げてきませんでしたが、今回は「過払金」についてお話したいと思います。
過払金については、CMやチラシなどで「払いすぎた利息が戻ってくる!」などと宣伝されています。ですが、これまで消費者金融などからお金を借りたことがあるからといって、全ての場合に利息が戻ってくるわけではありません。
お金を貸す際の利息には法律上の上限があり、借りる金額に応じて年利十五から二十%とされているのですが、一方で、多くの消費者金融は以前、これを超えた金利、具体的には二九%前後の利息で貸し付けしていました。約二九%までの利息であれば、昔の法律によると罰則がなかったからです。しかし、罰則を受けないとしても、本来だと十五から二十%の利息しかもらえないのですから、借りたほうからすると利息を払いすぎていることになります。これが「過払金」の正体です。
もっとも、その後の法律改正で、二十%を」超える利息を受け取ると処罰されることとなったため、消費者金融も適正な利率で貸し付けをするようになりました。ですので、最初の話に戻りますが、適正な利率で貸付を受けた場合には「過払金」は生じていないのです。
また、過払金の請求はいつまでもできるわけではありません。最後に借りた日、あるいは最後に借金を返した日から十年以上経過していると、時効が完成し、過払金が取り戻せなくなってしまいます。
このように、過払金が請求できるかどうかは、借りた時期やその金額、さらには最後に取引をした日などで異なってきます。これらを思い出せなくても、弁護士に相談、あるいは依頼をすれば調査可能ですので、過去に消費者金融から借り入れをされた経験のある方は、まずは弁護士などにご相談されることをお勧めします。
なお、現在返済中の方も、利息を払いすぎている場合には、借金の額が減ったり、場合によってはゼロになることもあります。特に長期間にわたって返済を続けているような方は、一度ご相談されることをお勧めします。
過払金についてのご相談は、テレビCMやチラシを配っている弁護士事務所だけが専門に行っているものではなく、紋別地域の弁護士も取り扱っていますので、地元の弁護士にもお気軽にご相談ください。
弁護士 田村秀樹
ホワイトペッパー第247号(2017/4/14発行)掲載